ホームステージング準備編
●住宅の残置物を撤去し綺麗に清掃する。
室内は綺麗にクリーニングし、庭など物件の外回りも綺麗にします。。
●住宅設備のチェックと仕様やアピールポイントを確認する。
住宅設備が壊れている場合、しっかりとその状態を説明しなくてはなりません。
また使い勝手いいポイント、設備のいいところなどは、POPなどにしてPRしないと、不動産仲介会社でさえ気づかない場合もあります。アピールポイントを明確にしておきます。
POPの例
キッチンのPOP設置例
●物件のターゲット層を想定する
家族で住むのか、男性単身なのか、女性向けなのか、イメージを固めます。
国交省住宅局の平成30年度調査データによると住宅の居住人数は
戸建ての場合 1人世帯(2%)、2人世帯(18.6%)、3人世帯(29.3%)、4人世帯(29.3%)となっております。家族向けもしくは、DINKSと呼ばれる子供のいない夫婦世帯などが戸建ての場合はターゲットになります。
中古マンションの場合は 1人世帯(11.9%)、2人世帯(30.9%)、3人世帯(27.6%)、4人世帯(21.4%)となり、ファミリーやDINKSの他、おひとり様世帯もターゲットになることが分かります。
●購入希望者の視点を確認する
物件を実際に案内されるお客様が、どのようなルートでドアを開け、まずどこに目線が集まるのかを確認します。
ステージングはこのようなお客様の目線が集まる場所を重点的に行います。
また案内ルートは特にファーストインプレッションを決めるポイントになるので、汚れている部分などはなるべく綺麗にしておきます。
●物件のアピールポイントやホームステージングで改善するポイントを明確にする。
改善したいポイントを明確にし、どうすればそれが改善できるのか計画を立てます。
例えば、リビングが通常より狭い物件であれば、明るめのカラーでコーディネートを行うことで広く感じさせることが可能です。
また家具の配置を壁面にまとめ床面を見せるオープンスペースを創ったり、掃き出し窓を見えるようにして、開放感を演出する、背の低めの家具を使うことで空間に広がりを持たせるなどの工夫ができます。
照明は天井面や壁面を照らせるフロアスタンドなどを設置すると、壁面が明るくなり部屋に奥行き感が生まれ広々と見える効果もあります。
ホームステージング コーディネート編
●設置する家具や小物のテイストを決定する。
床・壁・天井・建具でその部屋のベースカラーはほぼ決まります。全体面積の70%程度を占める
カラーがベースカラーとなります。家具をアクセントカラーにすると、存在感は出せますが、家具を目立たせることは
ホームステージングの目的ではありません。なるべくベースカラーに逆らわないコーディネートにします。
次にクッションやラグなどをアクセントにします。小物類は個性を主張しすぎないように選択します。
カラーは同系色のコーディネートが無難です。例えばベージュのソファに茶色のクッションや、同系色の柄でそろえるなどです。
●インテリアのイメージをそろえる
インテリアのイメージは「素材」「質感」「フォルム」「カラー」の4つの要素の組み合わせで決まります。
イメージの異なる家具を組み合わせると、統一感が失われます。
例えばナチュラルのイメージは素材が木質系、質感はシンプルでさっぱりとした感じ、フォルムは飾りの少ない、すっきりとしたもの、カラーはアイボリーやライトグレー、木の色などの組み合わせになります。
ホームステージングではナチュラル、モダン、北欧スタイルなどが好まれます。
ターゲットによってはインダストリアル、ビンテージスタイルもあるでしょう。
●配色
カラーは床、壁、天井と空間の上に行くほど薄くしたほうが広がりを演出できます。
天井を濃くすると実際よりも低く見えますが、落ち着き感を出したい場合やアクセントとしては効果的です。
色の選択は暖色系、寒色系がありますが、寒色系は気持ちを冷やす効果があるので、あまり多用しないほうがよいかもしれません。
天井を濃くしてアクセントにしたイメージ
床の素材感と近い天井のアクセントクロスは使用する面積も考慮します。
天井を濃くして落ち着いたイメージ
このコーディネートは床のカラーに家具を合わせず
既存の窓枠や建具、巾木(床と壁の見切り材)や廻縁(天井と壁の見切り材)、そして天井クロスのカラーに合わせたダークブラウンとグレーでまとめました。
空間演出に欠かせないインテリアグリーン
背の高いものは壁面のアクセントにもなりますのでおすすめです。
●その他
観葉植物は取り入れたほうが効果的な空間のアクセントになります。
現在は造花も非常に精巧なものが多いので、生花より造花をおすすめします。
生花は維持管理の手間がかかり、物件に土なども落ちます。また最近ではフェイクグリーンも多様化していますのでぜひ取り入れてみましょう。