2022年2月24日 売却のターゲットを決める 令和3年度 住宅経済関連データ(国土交通省ウェブサイト)によると、戸建てを購入する世帯の内63%は3人以上の世帯中古マンションの購入世帯のうち59%は2ないし3人世帯 となっています。上記のデータを踏まえて、売却の際のターゲットは通常戸建て:通常は子供が1人以上いるファミリーマンション:夫婦の2人家族、子供が1人いる3人家族 になります。※ただし中古マンションの場合は、15.1%は単身世帯が購入していますので、例えば駅が近い小さいマンションなどは、単身向けにリフォームを仕上げることも可能です。また新型コロナウィルス、流行前後では間取りの需要が変化しております。流行前は、部屋数よりもリビング広さなどが重要視されていました。ですが流行後は、リモートワークの普及などもあり、部屋数を重視するように変化しており、注意が必要です。 物件の魅力を最大化する まずは物件の魅力は何かを考えます。「自分の物件には特に魅力がない」と思われた方もいらっしゃると思います。ただ魅力がない物件は売れません。皆さまも物を買う時、その商品に魅力(価格、デザイン、機能など)を感じて、購入しますよね?魅力がない場合は、価格を下げて「安さ」を魅力として、販売することになります。価格の安さを、魅力として販売する場合は、最低限すぐに住める状態にして、販売することをおすすめします。購入するお客様も安さを求めて購入するので、安ければ安いだけ、魅力は増します。他には、例えば景色がいい、庭が広い物件などが魅力の場合です。魅力を更に引き出すために、リビングから景色が一望できるような間取り対面キッチンにして、景色も見ながら料理ができるようにリビングと続き間の和室をつなげて、大きなリビング などが考えられます。駅に近い、単身者向けの狭小マンションの場合、少し個性的なホテルライクな仕様にしても好まれます。例えば、恋人に自慢できるような素敵な内装にしたり、浴室などもガラス張りにしても、単身であればそういった物件が好きな顧客がいます。ただし予算との兼ね合いでどこまでリフォームを大規模に行うのかは慎重に検討してください。 費用対効果を考える リフォームプランを考えていると、要望が増え、リフォーム予算が大きく膨らんでしまうことがあります。一番重要なことは、販売を成功させるためのリフォームであるということを念頭に置くことです。リフォームを行った場合は、リフォーム費用分以上に販売価格を上げることが大前提になります。リフォーム費用分、販売金額を上げることができない場合は、損をしてしまうので、リフォーム内容の見直しが必要です。見直すポイントは多岐に渡りますが、例えば素人が見ても判別がつかないような素材の違いによって建具の値段が異なる場合は、グレードの低い建具を使用する量産クロスを使い、値段の高いクロスは使用しない床材をフローリングではなく、フロアタイルを使用する浴室・キッチンなども標準グレード品を使用し、コストを抑える本当に必要な大工工事以外(造作)は減らす。リフォームを依頼した際に、工務店さんにもよりますが、売り上げを得るために、高性能の設備を提案されることがあります。そこまでする必要がない場合もありますので、検討が必要です。その場合はご自身でインターネットなどで設備を購入して工務店に支給させてもらうか、同等の価格の物を手配してもらうなど、コスト削減努力をしましょう。 やってはいけないリフォーム ・こだわりを入れすぎる独創的リフォーム 住宅購入者の大半はその住宅で一生暮らすつもりで購入します。住宅のデザイン性は衣服などの他とは異なり、インパクトや面白さなどが目立つ、個性のあるデザインは需要はあまりありません。流行り廃りのない万人受けのするデザインが最も人気があります。自分のこだわりを入れたデザインは、相手からする必要ないものとなり、特に専門知識を学んでいない場合は、そのこだわりが大きなマイナスとなります。また工務店にデザインまで任せてしまうと失敗する場合があります。工務店の実績、事例などを調べて、実績のある工務店であれば、社内にインテリアコーディネーターや設計が常駐しており、デザインも作れる場合もあります。そうでない場合は工務店は施行が主業務なので、デザイン設計などは不得意な場合も多々あります。情報収集をした上で、依頼する工務店を慎重に検討することをおすすめします。 ・コストを抑えすぎて、全てが中途半端に リフォーム打合せしているうちに予算が膨らんでいってしまうことはよくありますが、逆に全てを抑えすぎて、残念な仕上がりになることも頻繁にあります。例えば、床・ドアなどの一部だけを変えて、統一感のないデザインになってしまった場合。家の中にはある程度の統一性が必要なので、逆に変えない方が良い場合もあるので、よく考える必要があります。 ・DIYをしてしまう よくDIYをされた現場を拝見しますが、素人が趣味程度のスキルで施工しても、職人の仕上がりとは、大きな差があります。購入者は住宅は一生ものという目で厳しく見てきます。しっかりとしたクオリティの仕上げが求められるので、予算を抑えるためにDIYをすることは絶対に避けましょう。DIYした後に、職人に施工依頼する場合は、一旦DIYを取り払うところからスタートするので、通常よりも手間とコストがかかります。 ・悪い部分を隠すだけのリフォーム 例えば雨漏りしていた場合、外壁や屋根をそのままにして、内装の雨漏り箇所のクロスなどのみ交換して隠してしまうリフォームを行う方がいますが、それは絶対にやめましょう。住宅の根本的安全性に関わる部分を隠して売却した場合、後に損害賠償へ発展する可能性もあります。不動産屋に、契約不適合責任免責にしてもらったから大丈夫と思われた方もいるかもしれません。契約不適合責任免責(瑕疵担保免責)とは住宅の隠れた瑕疵や買主が期待して契約した性能を物件が満たしていなかった場合でも売主は何ら責任を負いません、という契約上の条項です。しかし真実を隠して販売した場合はたとえ契約不適合責任免責だったとしても、告知義務違反に問われ損害賠償が請求されます。根本的な欠陥のある住宅は買う側も購入してから大きなコストが発生したらどうしようと不安が発生するため、なかなか購入に踏み切れません。その為、出来る限り売主側で修繕をしてから販売することをおすすめします。