物件の販売方法とそれぞれのメリット・デメリット
一般の方が物件を販売するときに基本的には不動産仲介会社に販売を依頼することになります。現在ではCtoCの直接売買を推奨するサイトも出てきてはいます。仲介手数料がかからないメリットはありますが、個人的な意見としてはあまり推奨はいたしません。
不動産会社に販売を依頼するメリットとして大きくは3点があげられます。
- 不動産の調査を厳密に行い、法律知識をもって取引をまとめるため、トラブルが少なく、これは素人には困難。
- 販売するための様々な媒体での広告を行ってくれるため、集客が可能
- 実際に購入希望者が現れたときの金融機関のアレンジができる。
国内の不動産売買における調査項目は実に膨大で、一つの物件の取引を行うための書類作成には関係各所をくまなく回って情報を集める必要があり、かつ不動産関連法規の知識が必要になります。
これは不動産業者でない限り実施は難しい業務になり、知識がないまま取引を進めると後々トラブルになる可能性が高くなります。
また直接売買のサイトは、例えば過疎化した地域であったり、何かしらの問題が物件にあり、販売価格が非常に低価格になってしまうが故、不動産仲介会社があまり積極的に販売に注力してくれないような物件の場合であればよいかとは思いますが、ある程度以上の販売価格の物件であれば(例えば1000万以上など)不動産仲介会社経由で広告を出したほうが、結果早く・高く販売できる可能性が高いです。
そして購入希望者に対する金融機関のアレンジですが、これは非常に大切になります。実は家を購入したいと思って、住宅ローンがスムーズに通って購入できる方は物件種別やエリアによっても異なるとは思いますが、そこまで多くはない印象です。そのため、購入希望者の属性に合った金融機関を選定し、銀行担当者と折衝しながらローンを通す力があってこそ、物件を販売できるという側面もあります。
良い不動産仲介会社の選び方
それではよりよい不動産仲介会社を選定するにはどうしたらいいでしょうか。不動産販売は最終的には担当者の力にもよるところが大きいので、不動産会社の選定と合わせて、どのような担当者がついてくれるかも売れ行きに大きく影響してきます。
私たちは仕事柄多くの不動産会社の方と取引させていただいておりますが、販売力のある仲介会社やご担当には下記のような特徴があると思います。
- 写真を綺麗に撮影し、コメントもしっかり入れて各ポータルサイトに確実に掲載してくれる（suumo、アットホーム、ホームズあたりに載せてくれるのが強いですね）
- 担当者の接客態度が良く、不動産についても知識がある。
- 顧客レスポンスが早い
１の写真掲載は現在の不動産の集客のほとんどがウェブからとなっておりますので、非常に重要になってきます。
以前は新聞折り込みやチラシの手巻き、現地販売会などで販売する手法も有効でしたが、現在ではその手法では費用対効果が合わず、一番はいかにネット集客に力を入れているかが大切になってきています。
そのため、掲載写真が少ない、汚い、コメントがない、一部のポータルにしか掲載していないという会社は選ばないほうがいいでしょう。
事前にその会社の他の掲載物件を調べてどのように物件をPRしているか調べましょう。
非常に工夫されている会社も出てきており、ドローン撮影や仲介会社の負担でホームステージングを実施したり等、写真での差別化が非常に大切になってきています。
２．も大切な要素です。日本では70％の人は一生に一度しか家を購入しません。
人生の大きな決断という気持ちが購入者は強く持っているため、いざ購入をする際はその不動産担当者が信頼できるのか、その担当から買っていいのかなども判断の材料にする方が実は多いです。
そのため、最初に話したときの印象が良く、身なりも含めて信頼できると思える方に販売を任せると結果的に販売も早くなる傾向があります。
不動産が個人プレーの進め方がまだまだ強い業界です。基本的には物件担当の方が、販売まで行うことが多いと思いますので、担当者選びは会社選び以上にしっかりと行ったほうが良いです。
その信頼感にもつながりますが、買主様がいろいろな質問をしたときに、言葉に詰まってしまうような不動産担当者では、信頼して物件をご購入していただけません。
不動産や関連する様々なことに対する知識を持った方の方がやはり信頼されやすく、成約率も上がります。
例えば、不動産取引の知識だけではなく、税金に関すること、地域に関すること、建築に関することなどなどです。
不動産売却を依頼するときも価格根拠や売り方、どうなったら値下げをするのか等のストーリーを的確に説明できる方がいいですね。
３．レスポンスが早い、これも非常に大切な要素です。実際にウェブサイトから問い合わせがあった場合、すぐに連絡しないと、その後の連絡がつく確率が時間に応じて各段に下がっていく傾向があります。
すぐにレスポンスし、すぐにご案内につなげられる仕事の進め方をしている方はやはり優秀な結果を残している方が多いです。
これは不動産売却に対するレスポンスも同じで、電話してもなかなかレスポンスがない、聞いてもなかなか答えが返ってこない等の担当の方は、購入希望者に対しても同様の対応をしている可能性が高く、売却を任せないほうがいいと思われます。
会社だけではなく、担当を見るのも大事
不動産売買仲介業は個人プレーの側面が大きい仕事ですから、会社のネームバリューだけではなく、どの担当に依頼するかが非常に大切ですので、しっかりと考えて依頼してください。
次によく言われる媒介の依頼方法について簡単に触れておきます。宅建業法上3種類の不動産会社への不動産媒介を依頼する方法がございます。専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約と言われるものですが、私がおすすめするのは、良い会社、良い担当者に専任媒介でお願いすることです。
専属専任媒介契約は1社にしか依頼をできず、仮に自分で購入者を見つけたとしても、必ず仲介会社を間に入れなくてはならないという非常に縛りの強い契約になります。
専任媒介契約も1社にしか依頼ができませんが、自分で購入者を見つけた場合は、仲介会社を間に入れず直接契約が可能です。（実際には自身で買主を見つけられることは稀ですが・・・）
一般媒介は複数の不動産会社と同時に媒介の契約を結ぶことができます。
一見すると、たくさんの会社と契約できる一般媒介が有効なように思えますが、これはあまりいい方法とは言えません。
まず現在はネット集客が基本となっており、国内のネット集客のサイト（ポータルサイトと言います）は大きく3つしか有名どころはありません。
どの会社もそこに掲載することになりますが、一つのポータルサイトに同じ物件が複数並んでいる場合、購入者から見ると出回っている情報価値の低い物件に見えるため、反響が落ちる可能性があります。また仮に案内になった場合でも、できる営業の方であれば成約させたお客様を、担当者によってはつぶしてしまうこともあります。
結論、信頼できる会社に専任媒介でお願いしましょう
また一般媒介にした場合、依頼されている仲介会社が競争しあって一生懸命売ってくれるように思うかもしれませんが、現実は全く逆になります。他社も広告すると思っている物件には、あまり広告費や手間をかけず、また売主への報告義務もないので、（専属や専任は報告義務があります）販売活動がおざなりになります。
そのため、自分がいいと選んだ会社に専任媒介でお願いするのが、最も物件を早く・高く売る方法だと思います。
また会社や担当者を選ぶ時の注意点として、提示された価格が高いからという理由で決めるというのは正しくありません。
何社かに査定を依頼した際に、当初耳障りの良い言葉で、「高く売れる」ようなことをいう営業マンも多いですが、それが正しいとは言えません。
不動産には相場があります。実は最初に高く出しておいて、徐々に値段を下げる場合、定期的にポータルサイトをチェックしている購入希望者からすると、売れ残り感が感じられ、当初から適性値段で販売した場合より、結局安くなってしまうことが往々にして起こります。
そのため、当初から価格の根拠をもって適正価格を査定してくれる会社が望ましいと思います。
適正な販売期間とは？
最後に適正な販売期間についても記載しておきます。
こちらは物件の特性や地域性にもよるため一概には言えませんが、神奈川のようなある程度需要が旺盛な地域では、感覚値ではありますが、3ヶ月程度で売れるのが理想的ではと感じています。
売り出してすぐに買い手がついた場合は安すぎた可能性があり、販売してある程度情報がいきわたって、ちょうどいい頃合いで買い手が見つかる期間が3ヶ月程度、それ以上になると、売れ残って値下げしていくという物件をよく見ます。
もちろん豪邸でお客様を非常に選ぶような物件はもっと時間がかかることもあり、時間をかけることが正解だとは思いますが、あくまで一般的な層が購入する物件に置いては3ヶ月程度が目安かと思います。
良い条件で売るための、ホームステージング
現在の不動産売却はまずはポータルサイトでいかに集客するかが大切になっており、そのためには写真でいかに、その物件を見たいを思っていただくかということが非常に大切になってきています。
ホームステージングは販売価格6～20%高くなるという調査結果もあり、また不動産仲介会社様へのアンケートでも8割以上の会社が実際の反響が増えたとご回答されています。
また当社ではプロカメラマンによる写真撮影のサービスも行っており、写真の見栄えは圧倒的に違います。不動産という大きな金額の取引においては、非常に投資効率の高いサービスだと考えておりますので、ぜひご検討してみてください。